「もう限界…でも、お金のことを考えると退職に踏み出せない。」
そんな不安を抱えながら、毎日なんとか頑張っていませんか?
特にHSP気質の方は、まわりに気を遣いすぎて心がすり減りやすく、
「まずは休みたいのに、生活のことが心配で身動きが取れない」
といった状況に陥りがちです。
でも安心してください。
うつ病やメンタル不調で働けなくなったときには、傷病手当金・失業保険・障害年金など、あなたを支えるための制度が複数あります。
うまく活用すれば、月収の約67%を最長1年6か月受け取りながら療養に専念することも可能です。
本記事では、FP1級の筆者が、これらの制度について
- 受給条件
- もらえる金額
- 手続きの流れ
を具体的に解説します。
さらに、
「知らないと損する傷病手当金の裏ワザ的な受給方法」
「傷病手当→失業保険へのスムーズな切り替え」
「HSPの方でも負担を最小限にできる申請の工夫」
といった実践的なポイントも整理。
この記事を読めば、
お金の不安が安心の見通しに変わり、退職後の生活が具体的にイメージできるようになります。
どうかひとりで抱え込まず、まずはこの記事で安心できる選択肢を確認していきましょう。
うつ病で退職する際にもらえるお金の基礎知識

うつ病で退職を考える場合、複数の給付金制度を検討しましょう。
傷病手当金・失業保険・障害年金の概要
うつ病退職時の主な給付制度は3つ。
- 傷病手当金:健康保険から支給され、働けない期間の生活を保障
- 失業保険:働ける状態で求職活動中の生活費をサポート
- 障害年金:症状が一定基準を満たす場合の長期的な所得保障
それぞれ申請窓口が異なり、傷病手当金は健康保険組合、失業保険はハローワーク、障害年金は年金事務所です。
受給条件も異なるため、自分の状態に応じて選択しましょう。
各制度の受給金額の目安
月収30万円(30歳未満)で働いていた人の場合の受給額目安を知っておきましょう。
- 傷病手当金:月額約20万円
- 失業保険:月額約18万円(被保険者期間10年未満だった場合)
- 障害年金:2級で約月6.9万円+厚生年金加算分
失業保険は月収が低かった人ほど給付率が高くなります。
障害年金は厚生年金加入者なら、報酬比例部分が加算されるため、より手厚い保障です。
併給可能な制度と併給できない制度
上記の3つは組み合わせによっては同時に受給できません。
併給不可の組み合わせ:傷病手当金と失業保険
併給可能な組み合わせ:障害年金と失業保険、障害年金と傷病手当金
制度の組み合わせを理解し、最大限の支援を受けましょう。
うつ病退職で最も利用される傷病手当金

傷病手当金は最も利用者が多い制度です。
退職前から受給開始すれば、退職後も継続受給できます。
受給条件と必要な加入期間
傷病手当金を受給するための条件は
- 業務外の病気やケガで療養中であること
- 仕事に就けない状態であること
- 連続3日以上の欠勤(待期期間)があること
- 給与の支払いがないこと
の4つ。
健康保険の被保険者期間が継続して1年以上必要です。
パートやアルバイトでも社会保険加入者なら対象となります。
支給額の計算方法
支給日額=標準報酬月額÷30日×2/3で計算されます。
標準報酬月額は4~6月の給与平均を基に決定され、毎年9月に改定。
標準報酬月額25万円なら、1日約5,500円の支給となります。
残業代や通勤手当も含まれるため、実際の手取りより多くなることも。
ただし上限額があり、1日約3万円が限度です。
最長1年6か月の支給期間
2022年1月から通算制度に変更され、より柔軟な療養が可能になりました。
支給開始日から通算1年6か月間、途中復職してもリセットされません。
例えば6か月受給→3か月復職→再度休職でも残り1年受給可能。
ただし同一の病気に限定されるため、別の病気では新規申請が必要です。
退職後も継続受給できる
実は傷病手当金は退職後も受給できます。
これは意外と知らない人が多いので裏ワザ的な受給方法かもしれません。
会社を辞めた後も傷病手当を継続受給するための条件は以下の2つです。
- 退職日までに継続1年以上の被保険者期間
- 退職日に傷病手当金を受給中または受給要件を満たしている
退職日に出勤すると継続給付の権利を失います。
最終日は有給休暇か欠勤扱いにすることが必須。
大切なのはつらくてもすぐに退職するのではなく、まずは傷病手当を受給して心と体を落ち着けることで、お金の不安も格段に解消されます。
うつ病退職後の失業保険

失業保険は働ける状態になってから、新しい仕事を探す期間の生活を支える制度です。
就労可能な状態での受給条件
失業保険受給には「就労の意思と能力」が必要です。
主治医から「就労可能」の診断を受け、週20時間以上の就労が可能であることが基準となります。
病状が不安定な場合は、受給期間延長申請により最大3年間延長可能。
焦らず治療に専念し、回復してから受給開始できます。
特定理由離職者としての認定要件
うつ病による退職は特定理由離職者として認定される可能性があります。
これはとても重要です。
なぜ重要かというと認定されると1か月の給付制限期間が免除されて受給期間も伸びるからです。
例えば雇用保険の加入期間が10年未満の30歳の方なら、90日が180日に伸びるのです。
この差は大きくないですか?
つらい状況で会社を辞めたらすぐには働き始めるのは簡単ではないですよね。
であれば少しでも休息を取る期間が長ければ長いほど、余裕を持って退職後のキャリアを考える時間が生まれるのです。
これも意外と知らない裏ワザ的な受給方法かもしれません。うつ病で退職を検討している人は覚えておきましょう。
必要な準備物は
- 医師の診断書
- 就労困難を証明する書類
- 長時間労働やパワハラの証拠(タイムカード、メール等)
です。
ハローワークで事前に必要書類を確認することで、スムーズな手続きが可能です。
給付制限期間の有無と受給開始時期
退職理由により給付制限に違いがあります。
- 自己都合退職:1か月の給付制限あり
- 特定理由離職者・会社都合退職:給付制限なし
受給開始までの流れは
離職票提出→7日間の待期期間→認定日→初回振込(手続きから約2か月後)
初回振り込みまでは意外に時間がかかることを覚えておきましょう。
就職困難者認定による給付日数の延長
精神障害者保健福祉手帳所持者は就職困難者として認定され、給付日数が大幅延長されます。
- 45歳未満:最大300日
- 45歳以上:最大360日
通常の90~150日から大幅延長です。
認定により専門支援員による個別サポートも受けられます。
手帳取得には時間がかかるため、早めに準備しましょう。
傷病手当金と失業保険のどちらを選ぶべきか

傷病手当金と失業保険は同時受給できないため、自分の状態を把握して選択する必要があります。
働ける状態かどうかが判断基準
選択の最重要ポイントは「現在働ける状態かどうか」です。
- 治療が必要で就労困難→傷病手当金を選択
- 病状安定し就労可能→失業保険を選択
主治医と相談し、客観的な判断を仰ぎましょう。
一般的な流れは、傷病手当金で十分療養→回復後に失業保険へ切り替えとなります。
受給額と受給期間の比較
月収30万円の場合は
- 傷病手当金:月額20万円×最長18か月=総額360万円
- 失業保険:月額15~24万円×90~330日
通常は傷病手当金の総額が多くなります。
しかし就職困難者認定を受けた失業保険は給付日数延長により逆転する可能性もあります。
自分の状況でシミュレーションすることが重要です。
受給期間延長申請の重要性
傷病手当金受給中でも失業保険の受給期間延長申請は必須です。
通常の受給期間は離職日翌日から1年間ですが、病気療養中は最大3年間延長可能。
申請タイミングは離職日翌日から30日経過後。
必要書類は医師の証明書、受給期間延長申請書です。
この手続きを忘れると受給権利を失うため、必ず行いましょう。
うつ病退職で活用できるその他の給付金・支援制度

メインの給付金以外にも様々な制度があり、組み合わせることでより安定した生活が可能です。
自立支援医療による医療費の軽減
自立支援医療を利用すると、精神科の通院医療にかかる自己負担が、通常の3割から原則1割に軽減されます。
また世帯の所得に応じて月額の自己負担上限額が設定されています。
- 低所得者:2,500円または5,000円
- 中間所得者:5,000円~10,000円
有効期間は1年間で、薬代も対象。
市区町村窓口で申請し、診断書と申請書を提出します。
長期治療が必要な方には必須の制度です。
労災保険の適用可能性
業務が原因でうつ病を発症した場合、労災認定の可能性があります。
労災給付の種類は3つです。
- 療養補償給付:治療費全額補償
- 休業補償給付:賃金の80%支給
- 障害補償給付:症状固定後の障害補償
認定基準は発症前6か月の時間外労働時間や心理的負荷で判断。
タイムカード、メール、日記などの証拠保存が重要です。
生活保護の申請要件
最後はセーフティネットとしての生活保護です。
申請要件は
- 預貯金が最低生活費の半月分以下
- 援助可能な親族がいない
- 他の制度を活用しても生活困窮
が挙げられます。
うつ病で就労困難な場合、医師診断書により就労指導は猶予。
家賃扶助、医療扶助を含む総合的な生活支援を受けられます。
HSPの特性に配慮した手続きの進め方

HSPの方は刺激に敏感なため、負担を最小限にする工夫が必要です。
エネルギー消費を最小限にする申請順序
効率的な申請順序は
- 傷病手当金(時効2年、金額が大きい)
- 失業保険の受給期間延長(権利確保)
- 自立支援医療(毎月の負担軽減)
で行いましょう。
1日1つの手続きに絞り、体調の良い午前中に実施。
無理のないスケジュールを組みましょう。
刺激を避ける工夫
窓口対応で刺激を避けるには
- 混雑回避:平日14~16時が狙い目
- 事前準備:電話で必要書類を確認
- メモ活用:質問事項を整理して効率化
などが有効です。
対面が苦手な場合は郵送申請可能な手続きを優先しましょう。
落ち着いた環境で書類作成できます。
サポート体制の構築方法
一人で抱え込まないことも大切です。
例えば
- 家族・友人による書類作成補助や窓口同行
- 社会保険労務士への専門的相談(有料)
- 障害者就労支援センターの無料サポート
などをお願いしてみましょう。
オンラインの当事者コミュニティでの情報交換も心強い支えです。
うつ病退職後のお金の受給スケジュールと生活設計

各制度の支給時期を把握し、無収入期間を乗り切る計画が重要です。
申請から支給開始までの期間
各制度の支給開始目安
- 傷病手当金:申請から1~2か月後
- 失業保険:手続きから約2か月後
- 障害年金:3~4か月後(認定後は申請月翌月分から)
審査期間を考慮し、生活費2~3か月分の蓄えが必要です。
カレンダーに記入して資金計画を立てましょう。
無収入期間を乗り切る準備
空白期間対策として最低3か月分の生活費確保が必要です。
固定費見直しポイントは
- 保険の見直し
- 格安スマホへの変更
- サブスクリプションの整理
などで月2~3万円節約可能。
リボ払いは金利負担が大きいため避けましょう。
段階的な社会復帰と収入の確保
体調回復に合わせた段階的復帰プランを組みましょう。
週1~2日の短時間勤務から開始してもいいです。
就労移行支援事業所での職業訓練も外出機会が発生します。
在宅ワークやフリーランスも選択肢にいれましょう。
障害者雇用枠は配慮を受けながら安定的に働ける環境が整っており、長期的な選択肢として検討価値があります。
まとめ|うつ病退職時のお金の不安を解消する
うつ病で退職する際は、傷病手当金、失業保険、障害年金など複数の支援制度を状態に応じて活用できます。
働けない間は傷病手当金、回復後は失業保険という流れが基本です。
意外と知られていない傷病手当の継続受給や特定理由離職者として失業保険を受給するなどして、療養期間中の経済的不安を大幅に軽減できます。
HSPの特性を持つ方は、周囲のサポートを受けながら、無理のないペースで一つずつ申請を行いましょう。
最も重要なのは、焦らず治療に専念すること。
適切な支援を受けながら自分のペースで回復を目指しましょう。
