「障害年金って、身体障害の人がもらうものでしょ?」
そう思っている方が、とても多くいます。でも、実は違います。
うつ病をはじめとする精神疾患も、障害年金の対象です。働けないほど症状が重く、生活に支障が出ている場合、毎月一定額の年金を受け取れる可能性があります。
この記事では、うつで障害年金をもらえるのか、金額・条件・申請方法を順番に解説します。
障害年金とは?うつも対象になる
まずは制度の全体像を押さえましょう。
現役世代でも受け取れる公的年金
「年金」と聞くと老後をイメージしますが、障害年金は現役世代でも受け取れます。病気やケガで日常生活や仕事に支障が出たとき、それを支えるための公的年金です。
うつ病、双極性障害、統合失調症などの精神疾患も、しっかり対象に含まれます。
2種類の障害年金
障害年金には、2つの種類があります。
- 障害基礎年金:国民年金の加入者(自営業・無職・学生・扶養されている配偶者など)が対象
- 障害厚生年金:会社員や公務員など、厚生年金の加入者が対象
どちらになるかは、「初診日(その病気で初めて病院にかかった日)」にどちらの年金に加入していたかで決まります。
会社員として働いているときにうつを発症した場合は、障害厚生年金が障害基礎年金に上乗せされる形になります。
障害年金はうつでいくらもらえる?
気になる金額を見ていきましょう。
障害基礎年金の金額(2025年度)
障害基礎年金の金額は、障害等級によって定額で決まっています。2025年度(令和7年度)の金額は、次のとおりです。
- 1級:月額86,635円
- 2級:月額69,308円
18歳到達年度末までの子どもがいる場合は、子の加算も上乗せされます。
障害厚生年金は報酬比例で上乗せ
会社員などが対象の障害厚生年金は、これまでの給与や加入期間に応じて金額が変わります。そのため、人によって受給額が異なります。
1級・2級の場合は、障害基礎年金にこの報酬比例分が上乗せされる仕組みです。
障害年金生活者支援給付金も上乗せされる
所得が一定以下の場合は、障害年金とは別に「障害年金生活者支援給付金」も受け取れます。2025年度の金額は、1級で月額6,813円、2級で月額5,450円です。
これも申請しないともらえないので、忘れずに手続きしましょう。
「精神疾患だから増える」わけではない
ひとつ誤解されやすい点があります。「うつだから」「精神疾患だから」という理由で金額が増えたり減ったりすることはありません。
金額は病名ではなく、障害等級と家族構成によって決まります。
障害年金を受け取るための3つの条件

うつで障害年金を受け取るには、次の3つの条件を満たす必要があります。
初診日の条件
障害の原因となった病気で、初めて病院にかかった日(初診日)が、年金制度の加入期間内にあること。
この「初診日がいつか」が、受け取れる年金の種類を左右する重要なポイントです。
保険料納付の条件
初診日の前日時点で、年金保険料を一定期間きちんと納めている(または免除を受けている)こと。未納期間が多いと、受給できないことがあります。
障害状態の条件
障害認定日(原則として初診日から1年6ヶ月後)に、障害等級に該当する状態であること。うつの場合、日常生活や労働がどの程度制限されているかで等級が判断されます。
障害年金の申請方法

申請は、いくつかのステップに分かれます。
ステップ1:初診日を確認する
まず、初診日を特定します。当時かかった病院のカルテや受診記録が必要になるため、転院している場合は最初の病院を確認しましょう。
ステップ2:年金事務所・役所に相談する
会社員などは年金事務所、国民年金のみの方は市区町村の窓口が相談先です。自分がどの年金に該当するか、必要書類は何かを確認します。
ステップ3:診断書・書類をそろえる
医師に専用の診断書を書いてもらい、自分でも「病歴・就労状況等申立書」を作成します。この申立書は、日常生活の困りごとを具体的に伝える重要な書類です。
ステップ4:申請して審査を待つ
書類をそろえて提出し、審査を待ちます。審査には数ヶ月かかることが一般的です。手続きが複雑なため、社会保険労務士に依頼する人も少なくありません。
まとめ|諦める前に、まず相談を
障害年金は、うつをはじめとする精神疾患でも対象になります。2025年度の障害基礎年金は1級で月額86,635円、2級で月額69,308円が目安です。
ただし、初診日・保険料納付・障害状態という3つの条件を満たす必要があり、申請手続きはやや複雑です。「自分は対象になるのかな」と迷ったら、まずは年金事務所や市区町村の窓口、または障害年金にくわしい社会保険労務士に相談してみてください。
申請しなければ1円も受け取れませんが、申請すれば生活の土台になる制度です。
- うつも対象: うつ病・双極性障害・統合失調症などの精神疾患も障害年金の対象
- 金額の目安(2025年度): 障害基礎年金は1級86,635円・2級69,308円。厚生年金は報酬比例で上乗せ
- 金額は病名で決まらない: 障害等級と家族構成によって決まる
- 3つの条件: 初診日・保険料納付・障害状態を満たす必要がある
- まず相談を: 迷ったら年金事務所・市区町村窓口・社会保険労務士へ
※本記事は2026年6月時点の情報をもとにした一般的な解説です。受給要件や等級判定は個人の状況によって異なり、受給を保証するものではありません。具体的な手続きは年金事務所・市区町村窓口・社会保険労務士にご確認ください。
※気分の落ち込みがつらいときは、一人で抱えず相談窓口に頼ることもできます。
